「サンバ」と聞いて何を想像しますか?

パシスタたち

一般的に馴染み深いのが、カラフルな羽を背負った女性でしょう。しかし、サンバパレードの中でそのようなダンサーはほんの一部なのです!人数に正解こそありませんが、複数人がそれぞれ役割を持つことでよりサンバを表現できます。サンバを表現する人たちは、大きく分けて「演奏者」と「ダンサー」の2種類です。

サンバの楽器

サンバ演奏者の集団はバテリアと呼ばれ、7種類の楽器で編成されます。そして指揮者である“ジレトール”は笛(アピート)を使ってバテリアを動かします。また、カーニバルではカヴァキーニョなどの弦楽器も使われます。

  • スルド

    スルド

    サンバの心臓と呼ばれるほど、サンバには欠かすことのできない大太鼓。24インチから16インチまで様々な大きさと音程のものを組み合わせてサンバの根底のリズムを支えます。

  • カイシャ

    カイシャ

    スナッピーと呼ばれる響き線がつき、スネアドラムに似た小太鼓。独特のバズ音を出します。スティックを持ち細かく刻むのと、リムショットをうまく使ってアクセントをいれます。

  • ヘピニキ

    ヘピニキ

    カイシャよりも高いテンションのチューニングの小太鼓。スティック一本と素手でたたく奏法の組み合わせで様々な音色をだします。ソロの演奏で楽器隊全体に指示を出したりするため、サンバの王様と呼ばれています。

  • アゴゴ

    アゴゴ

    カウベルを2・3個つなげた楽器。西洋音楽でも一般的に使われています。音程差のあるカウベルのコンビネーションで使うことで出すリズムはアフリカのものを彷彿とさせます。

  • ショカーリオ

    ショカーリオ

    ジングルを前後にゆらし音を出す楽器。ジングルだけなのにその鋭くキレのあるサウンドはサンバ独特のグルーヴを生み出します。

  • タンボリン

    タンボリン

    小型の片面太鼓。プラスティクでテンションの高いヘッドをプラスティックのスティックでたたくため、カッっと響く高音がでます。楽器本体を回すように手首を返すことで高速の連打が可能になると同時に、アクセントも入れやすいためサンバの花と呼ばれています。

  • クィーカ

    クィーカ

    ヘッドの内側に取り付けられた竹の棒をぬれた布でこすって音を出す珍しい楽器。ヘッドと竹の連結部を指でおさえることでテンションを変えてさまざまな音が出せます。動物の鳴き声のような音がなり、この音だけでブラジルを思い起こさせます。

  • アピート

    アピート

    ジレトールがバテリアに指示するために吹く笛。7種類の打楽器の大音量にも埋もれない高音が特徴です。楽器としてテンポよく吹かれているイメージが馴染んでいますが、実際にはサインや支持出しなど要所要所で最低限に使用されます。

  • カヴァキーニョ

    アヴァキーニョ

    ウクレレに似た、和音を奏でるブラジルの小型4弦楽器です。カーニバルではカヴァキーニョの他にもギターなどの弦楽器で伴奏をし、歌を歌いながら行進します。その歌は毎年、各チームがパレードテーマに合わせて作っています。

サンバのダンサー

カーニバルにおけるパレードは複数の班(アーラ)が連なることで構成されますが、その多くはダンサーのアーラが占めています。ここではウニアンの日頃のパレードにも出演する、主要なダンサーを紹介します。浅草サンバカーニバルではこの他にもテーマを表現するたくさんのアーラが出演しています。

  • パシスタ

    パシスタ

    露出度の高い衣装で大きく色鮮やかな羽(タンガ)を背負った女性。リズム良くステップを踏み、全身を使って激しく踊ります。

  • マラバリスタ

    マラバリスタ

    バンデイロと呼ばれるブラジルタンバリンを巧みに操るダンサー。ダンスに加え、バンデイロを投げたり回したりと曲芸を披露して観客を沸かせます。

  • ポルタ・バンデイラ/メストリ・サラ

    ポルタ・バンデイラとメス・トリサラ

    チームの象徴である大きな旗(バンデイラ)を掲げる男女ペアのダンサー。荘厳なドレスでバンデイラを腰に支える女性がポルタ・バンデイラ、それを守って鮮やかに舞う男性がメストリ・サラです。

サンバを見るなら「浅草サンバカーニバル」

浅草サンバカーニバル

浅草サンバカーニバルは毎年8月に開催される国内最大のサンバの祭典です。きらびやかな衣装を身にまとったダンサー達、大勢で大音量の打楽器隊、全長6メートルにも及ぶ雄大な山車が、雷門通りを次々と練り歩きます。東京三大夏祭りの一つにも数えられるこのお祭りは、観客動員数50万人となる大イベントとなっています。
また浅草サンバカーニバルはコンテストであり、数多くのチームがリーグに分かれてパレードの出来を競い合う「勝負の場」です。最上位リーグであるS1リーグの採点基準は「テーマの表現」「躍動感」「衣装」「演奏」「ダンス」「総合評価」の6つで、出演チームはその合計点を競います。この日のため、日本屈指のサンバチームがそれぞれのパレードを一年かけてつくり上げます。ぜひ一度足を運んでみて下さい!
浅草サンバカーニバル公式サイト